【BGEE】ヨシモの口調について(日本語)

あれよあれよという間にヨシモの沼に落ち、ここ数日ずっとヨシモについて考えさせられている私です。

これはヨシモのキャラ解釈と、日本語における口調の新解釈提案(?)をしてみる記事です。

誤解がないよう一応先に言っておくと、「ヨシモはこうじゃなきゃいけないだろォ?オオン?」というご意見のつもりではなく、「私のところのヨシモはこういう解釈で、こういう口調で取り扱おうかなと思ってるんだ~」&「私は真似されるの嫌じゃないから、気に入った人がいればこの口調自由に採用してね(そしてあわよくばヨシモファンアートの輪が広がったらいいな!)」という戯言です。

本当に、本当に、自治とか啓蒙とかそういう偉そうなもんじゃありませんので、「え?なんかお前の解釈気に食わねンだけど」と思って火球を投げたりしませんように。
「どれだけ前置きしたとしてもやっぱ気に食わねンだけど」とお思いの方は、ムーブサイレントリーでお立ち去り下さい。その際、バックスタブは入れないで下さい。

更新履歴

  • 2026.02.05 公開
  • 2026.02.09 全体の修正、追記

BG2EEの日本語対応について

まず大前提のお話として、BG1EE、BG2EEは有志の方のご尽力によって日本語化されています。こんな膨大なクエスト&途轍もない自由度のゲームの翻訳、絶対大変だったと思います。ありがたいお話です。何万語あるんだろう…?と想像するだけで気が遠くなるような作業だったと思います。
私も有志日本語翻訳さまのお陰でこのゲームを楽しむことが出来ました!本当にありがとうございます。

私がお世話になった翻訳は「dq6 パッチ修正版+.zip」だったと思います。恐らく現環境最新版ですね。
攻略サイト自体も翻訳も、拝見した感じ善意のリレーで未だに更新されているようです。

「遊びたいゲームが自国言語対応していない」ってかなりの絶望ですし確実に敷居になるので、もしこの有志の翻訳がなかったら…と思うとゾッとします。
BG3からBGシリーズに入った身としては、この令和の時代に10年以上も前のゲームの翻訳が未だに提供されていて、大変助かりました。
関わって下さった皆様に感謝しています。重ねて御礼申し上げます。

この記事の性質上、有志翻訳版ヨシモの口調について触れることがありますが、批判の意図は全くありませんし、私はこの有志日本語翻訳版ヨシモの「あからさまに胡散臭い異邦人っぽさ」もとても好きです。
ってことを念頭に入れてこの記事は読んで欲しいです。置きましたね?じゃあ本題に入りましょう。

原語版ヨシモについて

キャラクターの抱えるステレオタイプについて

これについて触れねば不誠実だと感じますので、様々な見方の一つとして読んで頂きたいです。

まず海外では「東洋人」=「裏切り者」というステレオタイプが存在します。
オリエンタリズム、黄禍論として実際に史実に存在します。

ヨシモというキャラクターは文化・歴史的背景かれ生まれたそれら偏見が少なからず影響を与えているキャラクターだと言えるでしょう。
(ただし彼の裏切り行為は本人の邪悪さとしては描かれていませんので留意が必要です)

ただ、その事実が必ずしも「東洋人への侮蔑や差別」かというと繊細なところでもあり、悪意なくゲームの1キャラクターとして組み込まれている可能性がある…というのは念頭に入れておきたいです。

「許容するか、許容できるか」「倫理的良し悪し」とは別に、作者の意図が分からない以上声高に「差別だ」と断定はできないということです。

私の立場としては、「差別は許容すべきではない」けれど、それと同時に「創作の中で皮肉られる」という試みを「逆に楽しむという皮肉的な許容」としてヨシモというキャラクターを面白がり楽しんでいます。

ヨシモの台詞の印象

原語版ヨシモの話し方や台詞の特徴に私は以下の印象を受けました。

  1. 自分のことをYoshimoと言うことがある

    「I」で普通に話す場面の方が多いですが、自分のことをわざわざ「Yoshimo」と表現する場面があります。これは他のキャラクターではあまり見られない特徴です。

    個人的な解釈としては《ヨシモ》という表面上演出されたキャラクターとして自分を印象付けるため、より滑稽さが際立つように彼が意図的に選んでいると思います。

    例:”Yoshimo is willing.”、”You had best alter your thinking, my friend, or you can forget about the company of Yoshimo!”、”If you are not in league with the evil that dwells in this unholy place, Yoshimo begs your assistance”など

  2. 出身地(恐らくコザクラ?ワの可能性もある?)の言葉を使う

    異邦人っぽい言葉をたまに使います。興味深い所は、彼はそれを自覚して言っていそうなところですね。

    ※ここで注意が必要なのは、彼は普段は非常に流暢で気取った、豊富な語彙で話します。なので「カタコトっぽい」のは有志日本語版の特徴的な演出と言えます。原語版では決して言葉がたどたどしいわけではありません。

    例:”Sou desu ne?”、”Yokatta.”、”Hai-ya!”(?)、”Kaiii!”(?) など

  3. 軽口、冗談、皮肉を好んでいて、言葉のチョイスに遊びがあります

    他愛のない軽口、下世話な冗談などに加えて、皮肉を言ったり、INTを感じさせる粋な言い回しも多いです。
    全体的に「ただの賞金稼ぎ」にしては恭しく大袈裟で気取った言葉選びという印象を受けます。

    例:”Ah, yes, the city. With all its people and their accumulated wealth, yes?”、”An odd choice. Have you been hit in the head with a rock as of late? I? In the front? Well, it is your call…”、”Heh, the tourists love that stuff”、”I can dance on the head of a pin as well.”など

  4. やたらとこちらの顔色を伺ってくる

    語尾に「…yes?」をよく使って、こちらに同意を求めてきます。
    ニュアンス的には「…ねえ?」「そうでしょう?」みたいな。

    例:”Things are going well for us, yes?”、”Ah, yes, the city. With all its people and their accumulated wealth, yes?”、”You require my counsel, yes?”など

  5. 言葉・単語選びの質の揺れ?

    俗っぽい言葉を使ったかと思えば、知的な言い回しをする。「ただの小汚い賊」のような顔をしながら「洗練された大人」を感じさせる奇妙なバランス感覚。詩的な表現にも長けています。気障といえば気障、なのか…?

    例:”Mousetraps”、”Bored witless”、”Accumulated wealth”、”Counsel”など

  6. 話す相手に合わせて言葉選びや話し方を変える
    対コンパニオン相手の会話では、相手のフィールド、相手の興味関心に合わせて話し方や言葉選びを変えているように思います。
    また、皮肉や追及を前にすると相手にせず煙に巻く態度を見せます。主人公相手だけでなく、人間関係全般において常に相手の出方やフィーリングに合わせている感じですね。

    例:
    (対アノメン)Young Anomen, a samurai of the west, roaming in service of god and lord. Tell me something of your adventures.
    (対ヘアダリス)Haer’Dalis, Haer’Dalis! You think too much and smile too little. Come, my bullywug! Come, my puss ‘n boots! We are in Athkatla, the city of a million smiling faces!
    (対エアリー)No apologies from so fair a blossom. We were fools to let you fall.
    (対ケルドーン)”Though time went by and long I triedto satisfy my lust,no matter where I touched, ‘twas not enoughto please my succubus.”
    ※卑猥な歌の続きをケルドーンから引き継いで歌っています。ちなみにこの歌について聞かれた際もヨシモは「神学を学んでいた」と答えます。

その他、考慮したい彼の背景について、詳しくはこちらの記事でまとめています。
【BGEE】ヨシモという男について

台詞や言葉遣いから受ける彼の印象と性格的特徴

  • 胡散臭くてイマイチ正体が掴み切れない食えない奴
  • 裏がありそうだけれど親しみやすさも備えている
  • ただの盗賊にしてはちょっと気取った知的な言葉選びを楽しんでいる
  • 相手の出方や顔色を伺う
  • 自分のカードを明かさない計算高さ

まあ、怪しいです…。よく言えばミステリアス…?
見えそうで見えない怪しさは常に漂っています。でも過剰に警戒させないだけの世知・機転と愛嬌があります。

冷酷無比なスパイや工作員みが強いか?と言うとそうではありません。
彼はクールな怪しいけど俗っぽいところもちゃんとあって、どこか憎めない人間らしさを持っています。

「まぁヨシモだし」と思わせられる絶妙な距離感。
こちらには不自然なほどぐっと近づいてくるけれど、こちらからヨシモの事情にも踏み込ませはしない一定の心の距離も感じます。

余談ですが、ヨシモについての記事をRedditで読み漁っている時に手を叩いて笑った書き込みがあって
「こいつは絶対に小便器で話しかけてくる」
がすごく言い得て妙だな…と思いました。私もそう思う。

その他口調を反映するにあたり汲みたい事項

  • SoA某章の例のイベント
  • 彼が一人で背負っていたであろう悲哀
  • カラ・トゥアのコザクラ出身と思われるところ
  • カタナを持っているところ
  • 原語版声優さんの渋い掠れたいい声

前項で挙げた性格的特徴や、これら設定を口調だけで上手く表現しようとすると、正直めちゃくちゃ難しいと思います。有志日本語翻訳版の翻訳を担当された方も頭を悩まされたのでは…。

ヨシモの口調を考えていこう

有志日本語翻訳版について

有志日本語翻訳版では、ヨシモは特徴的な語尾「~ネ」「~ヨ」を当てられています。

これは恐らくですが彼の「オリエンタルなキャラクター」を強調しつつ、「胡散臭さ」「親しみやすさ」を重視したものではないかと予想します。
(もしかするともっと深い意味があるかもしれませんが、ここでは想像することしかできないのであしからず)

有志日本語翻訳版では、その《カタコト異邦人》っぽさが例の章でのギャップを大きくするという演出が取られています。
コミカルに見える普段の口調が、突然普通の話し方になるという衝撃。
「お前普通に話せたんだ…」って驚かせる面白い試みだと思います。翻訳の業(わざ)。

個人的にはあの有志日本語翻訳版の演出も大好きですと断っておきます。

ただ、原語版の彼の性格のニュアンスがそのまま反映されているか?というと少々難しい問題で、ヨシモの性格のうち、特定の要素がかなり誇張・強調されている口調だと感じます。
翻訳により若干失われているニュアンスもあるので…難しいんですよね。
1キャラクターとしてのキャラ付けとして親しみやすく良い味付けだけれど、ちょっと原語版と若干乖離があるのも事実というか。

それもあって原語版ヨシモも齧り始めた私個人としては、別の口調の方が、私の好きなヨシモらしさを表現できそうだなと思いました。

俺流ヨシモを考えるにあたり、特に重視したいところ

  • 台詞以外の場面でも機能する口調であること

    たとえば彼の独白など、素や本音に触れるシリアスな場面・描写でも上手く機能しそうな口調が良いと思いました。

    自分は物書きのオタクなので、本編に存在していないシーンを妄想しながら話しますが、たとえばPTから離れて1人裏路地に居る時のヨシモ。イレニカスに計画を命じられている時のヨシモ。本編で主人公たちに合流する前に街にいたヨシモ。
    台詞がない地の文でもシームレスに機能する口調の方が創作的には助かります。

    有志日本語翻訳版の「~ネ」「~ヨ」の口調だと、ギャップが大きすぎてそこで生まれる意識の《差》が大きくなってしまうのがネックです。
    主人公たちの前で道化を演じる傍ら、内面描写でいきなり某イベントの時のように普通のおじさんみたいな口調で話し出すのはギャグのようにもなってしまうので。

  • ロマンスにも耐えうる口調であること

    前項とも関連していますが、「彼がもし主人公(やその他コンパニオン)と恋愛をしていたら」という前提でも成り立つ口調が良いです。

    具体的なシーンを挙げるとすると、例えばみんなの前でおちゃらけていたヨシモが、急に女主人公の視線に気づいて揶揄ってくるとします。

    有志日本語翻訳版準拠(出来ているかどうか怪しい)でいくと
    「おや? こっちを見ていたネ? そんなに見られたら調子が狂うヨ」
    「おや? こっちを見ていたな? そんなに見られたら調子が狂う」
    になります。

    これはまだ序の口なので問題ないですが、この口調でロマンス書いていくのちょっと辛くないですか…。いや私の物書きオタクとしての力量が足りない故かもしれません。
    前者だとギャグみが強くなってしまいますし、後者だと他のキャラと区別がつかなくなるんですよね。ヨシモっぽくはない。

    個人的に、この問題をクリアできる口調でないと困る。

  • 言葉遊びや小洒落た話し方、わざとらしさも再現できる口調であること

    原語版を見る限り、彼は言葉が不自由なわけではありません。それどころか非常に流暢に言葉遊びを楽しんでいます。
    「~ネ」「~ヨ」という口調だと、我々日本人はどうしても「言葉に不自由な海外の人物」だと受け取ってしまいやすいと思います。

    でも原語版で繰り広げられるヨシモの軽口・食えない態度は「言葉の不自由さ」とは対極にあると思っています。

    なので、ヨシモのその知的さも印象付けられる口調が望ましいです。

提案したいヨシモの口調

こういった背景踏まえて私が提案したいのは、以下です。
本当にヨシモの口調は難しくて、考えれば考えるほど「こっちも良いかも」と思えてきて悩みました。

案1:食えない敬語

「~ですな」「~ですぞ」「~ですかな?」+武士&忍者っぽい言葉選びのハイブリッド敬語

これはどういう口調かと言うと、すごく簡単に説明するなら「ムック」とか「オタク言葉」が分かりやすいと思います。
基本は敬語だけれど、ちょっと胡散臭くて、洗練されきっていない感じ。

先ほど挙げたシーンなら

「おやおや? …目が合いましたな? そんなに見られたら調子が狂ってしまいますぞ」

彼の性格のうち、少し気取った恭しさ+胡散臭さ+本心かリップサービスか分からない
というミステリアスさを強調した案です。

他の台詞もこの口調で再現してみます。

“Ah, yes, the city. With all its people and their accumulated wealth, yes?”
「ああ、これぞ街ですな。そこに暮らす人々と、彼らがせっせと貯め込んだ富の山。違いますかな?」

“If you are not in league with the evil that dwells in this unholy place, Yoshimo begs your assistance.”
「もしあなたがこの邪悪な地に潜む悪と通じていないのであれば…このヨシモ、あなたに助太刀を願いたく」

“Heh, the tourists love that stuff.”
「ふふ、観光客はこういう手合いに目がありませんな」

こんな感じで、結構展開させやすいです。

「かたじけない」「(名前)殿」とか混ぜていくと、コテコテ感も出ます。
「拙者」「貴殿」「~ござる」までやると少しやりすぎな気もするけど…ヨシモなら言ってもおかしくない感じはしますね。
「こういうのが嬉しいんでしょ?」って顔して「~でござる」って言ってるヨシモは存在しているような気がする(幻覚)

  • ふざけているようなコミカルさ・軽やかさが出る
  • それでいてヨシモの知的な面も出せる
  • 普通日常では使わない言葉遣いなので胡散臭く、「わざとやってる」「演技っぽい」ことが伝わる
  • 皮肉を混ぜやすい
  • でも適度に隙を見せない心の距離を感じる
  • 東洋人(コザクラ≒日本)っぽさもちゃんと出る
  • 特徴的な語尾なので、複数人分の台詞が並んだ時にもちゃんと「ヨシモが喋っている」と分かりやすい(これは小説で勝手に意識している点)

ので、私としては使いやすいんじゃないかな?と思っています。
手をこねこねし、薄い笑みを浮かべこちらの顔を覗き込みながら話してそうな、絶妙ないやらしさ。

案2:敬体+常体

なんと表現して良いか分からなかったのですが、敬語と常体を交えた口調です。
これは台詞内でというより、独白や頭の中でのイメージです。
説明が難しいので恥ずかしながら自作の二次創作小説から出しますね。

でっち上げた武勇伝も、いい加減な過去も、楽しんでくれるなら何よりだ。せいぜい意味などない道化の言葉に、呆れるなり疑うなり笑うなりーー好きにしてくれ。観客がどんな反応を示したとて、この物語の幕引きは拍手喝采では終わらない。舞台装置も役者も、悲劇へ向かって台本通り動くだけだ。拷問を生き延び、妹を攫われ、幕を引くのは信じた仲間の裏切り。あーあ、いただけませんな?よく見る安いシナリオは。私が自由に脚本を書けるなら、こんな退屈な芝居にはならなかったでしょう。

“Ah, yes, the city. With all its people and their accumulated wealth, yes?”
「ああ、これぞ街ですな。そこに暮らす人々と、彼らがせっせと貯め込んだ富の山。違いますかな?」

彼のダーティさ+心に抱えた闇や虚無を強く表現したいときに用いたいなと思うスタイルです。
案1と組み合わせることも出来ますし、案1の口調を普通の敬語にしても成立します。

「これは、これは! お褒めの言葉と受け取ってよろしいですかな? ジャヘイラ殿」
ハーパーの目を以てしても見破れない企て。それこそが私を捕らえる檻だった。罪悪感が背中を伝って流れていく。気付かれてはいけないのに、同時に見破って欲しいとも思っていた。誰かがこの罪を咎め、裁いてくれれば私は自由になれるだろうか。
答えは否。私に自由はない。生きるためには主人の命に従うしかない。

彼のダーティさ+心に抱えた苦しみや虚無+ニヒルさを強く表現したいときに用いたいなと感じたスタイルです。
案1と組み合わせることも出来ますし、案1の口調を普通の敬語にしても成立します。

この口調だと言葉遊びを非常に扱いやすくて、原語版の彼のニュアンスをかなり盛り込めます。

最後に

口調はかなり人によって好みがあると思います。
最初にも述べた通り、本当に「これが正解です!」とか高らかに言うつもりはまっっっっっっっったくありません!ヨカッタ!

私のPTのヨシモは
話し言葉→案1、独白・頭の中→案2
という形で使い分けさせようというところに落ち着きました。
この口調でヨシモロマンスMODの日本語翻訳記事にもいずれチャレンジしてみようかな。

この記事を読んだ方が、もし「アリかも~」と思ったらご自由に採用頂いても大丈夫です。

BG2の創作がもっと増えると良いですなぁ。ね? 我が友。

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